とうげマルシェのはじまり
能登半島地震からの復興ストーリー(全文)
2度の地震に襲われた道下地区
石川・輪島市門前町道下(とうげ)地区は、2024年と2007年、2度の能登半島地震で甚大な被害を受けました。
深刻な被害に加え、高齢化による人口減少で、スーパーマーケットが撤退して久しい同地区。誰もが気軽に集まり、買い物のできる「マルシェ」をつくろうと、住民有志が復興に向けて立ち上がりました。
道下地区は2007年の能登半島地震で全世帯のうち3割を超える約90戸が全壊。昨年の地震でも、もっとも家屋被害の多かった地域のひとつで、全壊や半壊した家屋が5割近くを占め、一部損壊を含めると7割を超えました。
失われた「社交の場」
かつては地域にスーパーがあり、住民同士が顔を合わせる「社交の場」でした。しかし10年ほど前にスーパーが撤退したことで、交流の機会は減少。常連だった地元のお母さんたちは「漬け物とか買いに行って話をするのが楽しみやった」「なくなって、ちーんとしとる(おとなしくしている)時間が増えた」と振り返ります。子育て世代からは、子どもをおつかいに行かせる店がなくなったという声が上がりました。
そして、昨年の地震が追いうちをかけ、地域と住民の心をさらに引き裂きました。1年以上が経っても、手付かずの倒壊家屋があり、かつての日常とはほど遠い生活です。「畑に行っても元気が出んで、ボケていく気がした」と孤独を語る住民もいました。
地域から活力が失われています。「こんな地域に誰がした」と嘆き、恨んでも、何も変わりません。
住民有志の決意
変わるのは自分たちです。いつまでも下を向いてばかりもいられません。住民有志で立ち上がり、地域の拠点となる「マルシェ」をつくることを決めました。かつての「日常生活」を取り戻すためです。
世代を超えて集える場所へ
マルシェは、若者から高齢者まで世代を超えて集える場所を目指し、ミニスーパーだけでなく、カフェやイベントスペースを併設します。かつてスーパーがあった場所を賃貸でお借りして店舗建設地を確保しました。